SUMMARY
- OTRSの「インシデント管理」は、電話やWebなど複数の経路から入ってきたインシデントを一元管理できる
- OTRSの「問題管理」は、問題の種類と優先度で分類して、エラー記録を作成しながら対応できる
- OTRSの「変更管理」は、変更時の障害を防ぐ施策が施されている
クラウド環境下で求められるスピードと柔軟性に対応し、ITILに準拠した運用管理を実現する管理システム、OTRS(オーティーアールエス)をご存知ですか? 日本OTRSユーザ会を主催するクラウドエイジアによる、クラウド時代に最適な運用管理の自動化についてシリーズでご紹介します。
今回は、OTRSの主な機能についてご紹介します。
【クラウド時代の運用管理ツール、OTRS】メール、Web、電話など複数の経路から入った問い合わせを一元化できる「インシデント管理」
ITILバージョン3におけるインシデント管理の目的は、システムで発生した問題がビジネスへ与える影響を最小限に抑えることです。その指標をもとに、ITILでは、システム障害だけではなく、顧客からの問い合わせもインシデントとして捉えています。
OTRSの「インシデント管理」は、複数の経路から入ってきたインシデントを一元化できるのが特徴です。
メールによる問い合わせ、Webによる問い合わせ、電話による問い合わせ、そして監視ツールからシステムの異常を知らせる通知など、さまざまな経路から来たインシデントを一元化して管理します。さらに優先順位を振り分け、担当者へ連絡するところまでを自動化します。
このインシデント一元化機能は、幅広い用途で活用されています。たとえば、CTI(Computer Telephony Integration System:電話とコンピュータの統合システム)と連携するモジュールを使って、コールセンターとして利用している企業事例もあります。
そのほか、必要に応じてエスカレーションしたり、ワークフローのように複数の担当者に回したりすることもできます。モニタリングもできますので、全体でどのぐらいのチケットが残っているのか、どういった回答をしているのかといった管理業務も同時に行うことができます。
【クラウド時代の運用管理ツール、OTRS】問題を種類と優先度で分類しながら、問題を未然に防ぐ「問題管理」
問題管理は、ITサービスに悪影響を与える問題の根本的な原因を特定し、インシデントの発生を未然に防ぐプロセスです。インシデント管理が早期解決を目指しているのに対して、問題管理プロセスでは根本原因を特定し、問題を未然に防ぐところに主眼がおかれます。
OTRSの「問題管理」では、「タイプ」と呼ばれる問題の種類と優先度で分類して、もし既知のエラーデータベースにワークアラウンド(回避手順)があれば、それに基づいて担当者が対応します。
ワークアラウンドがない場合は、ナレッジにすべくエラー記録を作成しながら対応します。
【クラウド時代の運用管理ツール、OTRS】監査対象システムの作業証跡を取得できる「変更管理」
変更管理とは、ITサービスに対するすべての変更を一元的に管理するプロセスです。
標準的な手順を適用することで、不正な変更を防止したり、障害発生のリスクを減らしたりします。つまり変更管理プロセスの目的は、すべての変更を安全かつ確実に実行することと言えます。
■内部統制の一環として、監査対象システムの作業証跡を取得できる。
内部統制の一環として、監査対象システムの作業証跡を取得する事例が増えています。OTRSの「変更管理」では、監査対象システムの作業証跡を取得することが可能です。
■変更時の障害を防ぐため、レビューを徹底し、運用品質を向上できる
クラウド環境においては、システムの変更がたとえ一箇所であっても、広範囲に影響を与える傾向があります。
OTRSの「変更管理」では、変更時の障害を防ぐため、レビューを徹底し、運用の品質を向上させます。
また、OTRSの変更管理フローは、標準変更タイプ、緊急変更タイプ、重大変更タイプなど複数のタイプで運用できます。